Honda XR230 Restoration~Carburetor Adjustment
キャブセッティングはバイクメンテの真骨頂。AIキャンセルに伴いキャブの再調整を余儀なくされますが、単なる興味本位でホンダのキャブを調整したい意味合いもあります。
キャブの現在の状態の確認作業が先決だ。これを怠ると改悪しかねない。
調べてみると、俗にいうPilot Screwは1-5/8回開いている事が判明。XRキャブはCRFとタイプは異なるものの調整方法は同じようだ。詰まり標準設定のままと言う事か。
このScrewはD型と呼ばれ特殊な形状をしているので通常のドライバーでは回せない。加工したアルミパイプを利用する方法がネットで公開されているが、俺は6㎜のスペーサー(1袋100円程)を加工して用いた。
これでは微調整に難儀するのでお決まりのマイナス頭に加工しておく。
尚、キャブはバラした形跡があるのでMain Jetを確認するために念のために開く。規定通り118番。フロート部は奇麗だったのでこれ以上はバラさず。
Pilot Screwを規定値の1-5/8開いた設定にしキャブと燃料タンクを取付けて始動準備OKだ。
エンジンにガスが来るように数回バイクを動かしクランクを回しておく。セルボタンを押しセルを回すがエンジンがかからない。何度やってもダメ。オーバーホール失敗かと嫌な気分に襲われ落ち込む。ふとセルボタンの上の赤い表示が目に入り、エンジン停止ボタンがOnになっていることに気づく。安堵してOffにして再始動。
チョークを引いていないが、バッテリーを充電していたこともあってか、一発でエンジンがかかる。エンジン音も安定している。ただ、甲高いタペット音らしき音が規則的に鳴っている。タペット調整は完璧に行っているので、疑問に思いつつこんなものかと思い込み、アイドリング調整に取り掛かる。
XR230にはタコメーターがついていないので、パゴダで使用したタイミングライトの回転数を利用したが、3000程度の数値を表示している。そんなに高いアイドリング音ではないので明らかにエラーを出しているのでRZ50で確認してみる。これも同じく3000程度とタコメーターの倍の数字示している。スロットルを回すと呼応して回転数が上がっていくが一貫してタコメーターの倍の数字を示している。何故か理由は判明しないが、2ストだから倍かと単純に割り切って使用することとした。
そこで、
先ず、アイドリング回転数が1500(1400±100)になるポイント迄、Throttle Stop Screw動かす。次に回転数が最大になるポイントをPilot Screwを調整して見つける。最大点を見出したらもう一度をThrottle Screwを1500に微調整する。これを繰り返してPilot Screwを動かしても回転数が変化しなくなるポイントを見つけて調整は終わりとなる。俺の場合3回目でFixできた。
以上でキャブ調整完了。
その後もエンジンの甲高い音が気になり翌朝からエンジンに取り掛かる。早朝だった為チョークを引きエンジンをかける。エンジン音が弱々しく明らかにチョークが利いていない。チョークケーブル(正確にはバイスターターケーブル)は確かにキャブに繋がっているが、外したことによって不具合が発生したかと疑い、一旦エンジンを切りタンクを取ってから、チョークケーブルを外す。内部をパーツクリーナーで洗って再度キャブに取り付ける。プラスティック製なのでネジ山がバカにならないように手で締めこんで最後にスパナで増し締めする。
再始動だ。
チョークレバーを引きセルを回す。一発で荒々しいエンジン音が鳴り響く。チョークが利いているようだ。数分間の暖機運転が終わりアイドリングが安定した。相変らず例の甲高い音がする。タペット音だと確信、エンジンを切る。圧縮上死点を出してから吸気側のタペットを手で押し込むと明らかにクリアランスが大きく接触音がする。タペット調整が十分でなかったようだ。理由は不明。エンジンをフレームに乗せた状態での調整は難儀だが何とか0.1㎜に押さえ込む。
自信をもって再始動する。一転してエンジン音が落ち着きを取り戻し、これで大丈夫だと確信させてくれる。どれだけ持ってくれるか耐久性が気がかりだが、これでエンジンオーバーホールは完了。
1ヶ月間ほど無我夢中になれたのと、この単気筒のOHVを6個並べたのが俺のパゴダなのでパゴダのエンジンオーバーホールにも自信がついた。甘いか?
つづく