Analog Audio Revival~Yamaha B-3

Analog Audio Revival~Yamaha B-3

二台シリーズ最終回はヤマハB-3です。B-1のような力強さはありませんが、透明感の高い繊細な音質と相反する暖かい音色を奏でるV-FETが秀悦、芸術品のようなデザインも現代的で市販アンプの中では最もお気に入り、アスキー創業者西氏もB-3の大ファンとか。ブリッジ接続に憧れて二台も手に入れてしまいました。満を期して一年ぶりの更新です。

個人売買とオークションで手に入れた二台のうち、一台は超美品、もう一台も美品ですが足が曲がった傷物です。双方とも不具合がなく使用頻度の低い中古品だったので、パーツ類の交換は一切行わずにV-FETの絶縁熱伝導シートの交換と調整だけ行っています。旧車のレストアで痛感したのはむやみやたらに手を入れずにオリジナリティを守るのがビンテージ愛好家の筋だと思っています!

テーマに欠けますが、B-3の全て?をご紹介します。

特性

DC周波数特性

俺はDC接続でしか聞かないが、DCのフラットな特性は特筆もの。

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歪み

8Ω/2-20KHz/35W →0.007%以下との規格は現代のアンプから見れば誇れるものではないが。

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BTL接続

今の視聴環境ではパワーは必要ありませんが、BTL接続にすると何故か立体感が際立ちますね。スーパースワンにベストフィットなアンプと思っています。

B-3のBTLはアンプの+側だけをスピーカーに接続して、片方のアンプには反転させた入力信号を送って、其々の片チャンネルだけ鳴らす構成です。このため2台のアンプの特性が揃っていることが必要条件となります。そのため定期的に歪み率を計測しています。

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解体写真

脛に傷ものの解体をお見せします。

上面

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左右両側三枚おろし

初段の2SK-100はオリジナルっぽい。

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底面

一見修理の跡はないと安堵するも、コネクターカバーの番号付けを発見。

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よく観察すると終段の2SK76A一個の形状が異なる。

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他のに比べて膨らみが欠けている。片チャンのV-FET一個を交換したようだ!

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調整

基盤に記載があるので慣れていない人でも調整は間違いないと思いますよ。

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  • 電源基板

基盤の印の±85vを確認。電源平滑コンデンサは未だ大丈夫でした。(写真は撮り忘れ)

 

  • BIAS(アイドリング)調整:基板上PS-CT間

30mvで調整。アイドリング電流は150mAとなります。自動安定化回路が備わっているので安定して調整しやすいですね。手に入れた当時は2台ともバラバラの設定でした。

確か、B-2は180mAなので少し低めの設定か?

 

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  • DCバランス調整:基板上PS-E間

初段の2SK-100素子を一定の低い電圧で動作させているのでDCドリフトが非常に低い。他の素子では代用できないだろうから、苦労して何とか二台分の予備を確保しました。

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歪み率測定

歪み率は音質とは余り関係ありませんが、ズレていると気分的によくありませんし、パワーアンプの健康状態のバロメーターであると思います。調整済みで売りに出されている中古品の略全部が歪み率を測定していないのも大いに疑問!

歪み率測定結果

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上段黒字は7年前、下段は今年測定

歪み測定には中古で買ったPanasonic製のAudio Analyzerを使っていますが、電源を2度入れ直さないと立ち上がらない草臥れた代物。当然、校正もやっていないので測定値の信頼性は全く自信はないが、測定値を相対的に観察するとアンプは劣化しているようですね。

では、測定風景をお見せしましょう。

  • 20KHz

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  • 15KHz

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  • 10KHz

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  • 5KHz

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  • 1KHz

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  • 7年前実施した歪み測定(20KHz)

オシロの波形は如何にも低そうな歪み率を示していますね。

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劣化している原因を突き止めるのは老後の楽しみとして取っておきましょうかね!

因みに、出力は35Wに設定して測定。

歪み率測定の方法には苦労した覚えがあるので機会があればブログする予定です。

回路図

B-3の回路図を公開します。

国会図書館まで出かけて行って、オーディオ雑誌を片っ端から閲覧して漸く見つけた回路図です。ページがカットされたことで特別室で監視のもと閲覧した苦い記憶が蘇ってきます。貴重な回路図でっせ!。ラジオ技術さんからお叱りを受けないかな。

クレームがあったんでUploadを止めました。ラジオ技術1977年11月号に載っています。@2016年12月26日

お決まりの文句で締めくくり

俺がくたばったらバカ息子は叩き売るだろうが、超美品は十五万以上、脛傷物は七万以上の売値でお願い。

以上、取りとめのない内容でした。

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