Honda XR230 Restoration~Engine Assembly
不具合の原因も特定でき気分良くエンジン組立て工程に入っていきます。この単気筒のOHVを6個並べたのが俺のパゴダ。これで自信がつけばパゴダのオーバーホールも現実味が増しますが、そんなに簡単に行くものでしょうか。
バラしたパーツをメタルクリーンに浸し煮だててもカーボンは取れず
真鍮ブラシで擦りましたが完璧に取れません。エンジン外観の汚れもマジックリンと歯ブラシで磨きましたがさっぱり取れません。Give up。効果的な方法があったら教えてください。
こんな程度で妥協
組立て工程に入っていきます。
ピストンリング及びピンの組込みは意外と簡単。矢張り苦労したのはピストンリングをシリンダーに入れる工程。三つのリングで構成されるが、マニュアル通り決められた方向を守って(難しい)、上のリングから順に指で押さえながらシリンダーに入れ込んでいく。シリンダーの裾は広がっているので、芯さえ出ていればダメージなく入っていくはずだ。焦らずに気持ちに余裕を持って。云うのは簡単だけどね。オイルはタップリぬっておく。
実際の生産ラインでバルブシートの擦り合わせは絶対やらないと思うし(時間的余裕なく又バルブ製造工程で組み込まれている筈)、マニアックなマターと思うが、見様見真似で挑戦してみる。経験がないので擦り合わせの感度が分からないが15分ほど擦り合わせ
出来具合を光明丹で確認する。さらにバルブをセットしてから灯油でも漏れチェックを行った。問題ないと信じよう。
シリンダーヘッドの取付け
Cam Chain GuideとCam Chain Tensionerを組込んで、何とかヘッドをのせる。
只、カムチェーンがクランク内のギヤに絡まってはまらず、シリンダーを二度も外す羽目に。力を込めてぴっぱれば外れます。リングにダメージがないことを祈るのみ。
因みにメタルのガスケットは交換していません。
Cylinder HeadにセットしたCam Sprocketを前傾させてカムチェーンをのせる。
また、不具合例の多いCam Chain Tension Lifterは機能的に問題ないのでそのまま組み付ける。このメタルガスケットも交換せず
Cylinder Head Cover取付け
Camshaftのオイル溜にオイルをたっぷりと補給しておく。圧縮上死点を出し、Camが下方向になるようにCamshaftをセットしてRocker Armを押えながら、液体ガスケットを貼付(薄く塗るのが原則らしい)したCylinder Headに乗せる。
最後に、クランクを回してピストンを上下させCamが障害なく動くことを確認しながら、ステンレスの汎用品の袋ナット、フランジナット(其々4個)を規定トルク迄締め付けます。更に、Cam Cover(ガスケットは交換)を取付けます。
調子よく組み立てていたのだがここで問題発生。
Cam Chain Tensionerのボルトを締めすぎでネジ穴をバカにしてしまったのだ。リフィルすればよいのだがツールを持っていないので応急且希望的恒久処理としてガスケットの代わりに液体ガスケットを貼付、ネジ山の最後部迄噛ませることでネジを固定させた。今の所オイル漏れはなく一安心と言ったところだが、どれだけ持つか?興味はある。
タペットを既定の0.1㎜にセットして肝のエンジン組立行程は終了。
最後の難関、クランクカバーキャップを取外します。六角のボルト穴はバカになっているので、金属片が付かないようにカバー内のジェネレーターを一旦外してから、工具で回せるようにキャップに十字の溝を作ります。
十字溝を回すがビクともしない。バーナーで加熱してもダメ。絶望感がつのり、カバーの新調も頭をよぎる始末。善後策を練っていたが妙案があるわけでもなく根気強くやるしかないと思い直し、ダメ元で大型マイナスドライバーを溝に当て側方からハンマーで二度叩いても微動だにせず、くそったれ、これでもかと三度目に大叩きをするとくるっと回った。
外れたキャップと新調した純正品
ホッとし、最後だと意気込み、
ジェネレーター、セルモーターをつけ、新しいガスケットを組み込んだクランクカバーをフランジボルト(一部ステンレス製汎用品で新調)で固定。
エンジン載せ
段ボールなどで養生してから
エンジンをフレームに一気にのせます。まだ自力で持ち上げれます。
マフラー取付
再塗装したマフラーをつける。O-Ringを忘れずに。
AIキャンセル
キャンセルを決断
穴を封鎖しておきます。全部で4箇所。自作可能ですがアマゾンでキットを購入しました。
1. Cylinder Head Cover
2. Air Clean Box
3. Insulator
4. Cab Air Cut-off Valve Cover
1-3は付属のキャップを取付け。キャブは別途購入した保護キャップ(φ4)をつける。
1
3
2と4
最後にオイルを補給しておきます。
純正ウルトラ G2 10W-40を使用
失敗した箇所もありますが意外と簡単でした。
始動目前です。が、やることがあります。
つづく