Yamaha RZ50〜Wheel Bearing & Tire Replacement
JRTでタイヤが擦り減って交換時期にあるのだが面倒なので放って置いた。最近、走行中フロントホイールベアリングから偶にゴロゴロと異音がするようになる。三万キロを有に超えているので原付の耐久年数は過ぎているかも知れないが、ベアリングがその程度で寿命になると思えないし、Bearing Pullerは高いので躊躇していたら、ネットでコンクリートアンカーを使用してベアリングを外す事例を発見。素晴らしいアイデアに感銘、早速パーツの手配に着手。しかし世の中そんなに甘くはありませんでした。
購入したパーツ
純正品をモノタロウで購入。
- フロントベアリング(#93306-30003):2個
- フロントオイルシール(#93106-20001):1個
- リヤベアリング(#93306-30101、#93306-30102):1個ずつ
- リヤオイルシール(#93106-20033):1個
まとめ
- 基本的にハンマーで叩き出す単調な作業だが、20年以上経っているからか簡単には抜けない、また抜けてもアウターレースを残す等、ネット事例ほど容易な作業でなく本当に苦労した。何とかドライヤーで加温して抜くことが出来た。
- ネット情報「ベアリングを冷却周りを加温すると圧入し易い」は効果的。
- 外す前にオイルシール並びにベアリングの圧入位置を覚えておく。圧入し過ぎるとベアリングがスムースに回らなくなる恐れがある為。
- フロントのベアリング内径は10mm。10mm用のオールアンカーを調達。オールアンカーを抜く六角ボルトはM3/8(9.5mm)を使用。また、口径の太いM12ボルトも用意。長さはハブを貫通できる任意長
- リヤのベアリング内径は12mm。12mm用のオールアンカーと試しにグリップアンカーの二種類を調達。結果的にグリップアンカーは使い物になりませんでした。
以下、交換手順詳細
ジャッキアップ
以前はマフラーを外してジャッキアップ2個でバイクをリフトしていたが、手慣れたのかフレーム下部をジャッキアップスタンド1個で支えて前輪・後輪をリフトしている。宙ぶらりんな状態であるが、一人でもホイールの脱着は可能だ。
フロントホイール
- 事前に位置確認をしておく
- L側ベアリング
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- R側オイルシール
両方ともベアリングはグラグラでした。
- L側ベアリング外し
スペーサーがあるため中々オールアンカーが噛まず数回失敗。
諦めムードの中、温めたらどうだろうと思いドライヤーでベアリングの周りを温めて
オールアンカーの釘を打ち込むと入りガッチリと噛むようになる。反対側から六角ボルトを差し込んで叩き出すと手応えがありベアリングがカラーごと抜け出た。がぜんやる気が出る
再利用のためオールアンカーを外す
ハブの内面は綺麗で一安心
- R側ベアリング外し
L側同様の方法で外す。スペーサーがないので噛ませるのは容易だが、ボルトを差し込んで叩き出すが手応えがない。調子に乗って思い切り叩きつけると何とアウターをハブに残してインナーのみ千切れて取れる。こんな事ってあるのかな。
これからが大変。30分ほどかかりハンマーでドライバーを叩いて何とか取出す。内面に傷を付けないように慎重にやったつもりだが傷を付けてしまう。それもかなり凄い傷。
一瞬廃車が頭をよぎるが新品の在庫がありました。だが1万5千円もする高額。業者のホーニング加工はもっと高そうだ。仕方なく無職の身の上故金はないが時間はたっぷりあるので地道にやるしかない。
手元にトリマーがないのでサンドペーパー(#240、#1000)で磨くこと半日。
磨き終わった内面。自信はないがこれでやってみよーと。
- R側(ブレーキ)ベアリング圧入
手順のポイントは取外しの反対順序でホイールに圧入していく。26mmソケットがベストだが保有していないので代わりに27mmソケット(アウターレースの外径と一致)をベアリングの上にのせてハンマーで均等に打ち込む。出だしは均等に入らないが、均等になるように交互に打ち込んでいくと自然と均等になって入っていく。また、ベアリングをハブ奥まで圧入する際、27mmソケットはハブに干渉するので37mm塩ビ管に切り替えて打ち込む。
27mmソケットで打込む
ベアリングがハブ内に入ったら塩ビ管に切り替えて所定位置まで打ち込んでいく。
中々入らない。根気よく打ち込んでいると(多分傷の箇所を越えたのかと)と音が変わってストーンと入る。ベアリングがシートに鎮座したようです。
念の為、ハブ内部からベアリングのシート座り具合を確認しておく、問題ないようだ。
ベアリング及びハブ側面にグリスをタップリと貼付し
オイルシールを組込む。その際、シールの上に古いベアリングを置きハンマーで軽く叩いて圧入。
R側終わり。特にハブ内部の傷を補修している為上手く圧入できるか心配しましたが、思いのほか上手くいきました。ただ、ベアリングを固定できているか自信は皆無ですが。
- L側ベアリング圧入
錆止め目的でグリスを貼付したスペーサーを入れて
念の為、六角ボルトを反対側から差し込んで芯出しをしておく。
ベアリング打込み開始
途中から塩ビ管に変えて奥まで打ち込む。深く打込み過ぎてスペーサーに干渉してベアリングがスムースに回らなくなることはないと思うも、時折ベアリングの動きを確認しながら進める。所定位置まで入るがR側のようなシートに鎮座する感触は得られず。
グリスを貼付して
左右圧入終了
- タイヤ交換
ブリヂストンタイヤ交換前に使っていた略新品の純正IRC製後輪タイヤ(80/90-17M/C)を有効利用する。今回は以前ご紹介した結束バンドを使った秘策ではなく、一般的なタイヤレバーを使った方法でタイヤを換装。体力を使う結束バンドより断然容易だが、レバーでチューブを傷めないかが唯一の気がかり。
タイヤ新旧比較
フォークにホイールを取付ける。ベアリング位置が正しいか心配していたが、無事フォークに組込むことができた。自転車用の空気入れで昇圧して漏れを確認。大丈夫です。
リヤホイール
- タイヤ交換
何故か最初にタイヤ交換をしました。フロント作業の慣れで効率よく作業が進む。今回はダンロップTT900GP(90/90-17M/C)を使用。ブリヂストンと似たような代物。只、前輪との統一感がないのは否めない。加圧して漏れをチェック。大丈夫でしょう。
- 事前に位置確認をしておく
- L側(チェーン側)オイルシール
ベアリングは深さ8mmの位置
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- R側ベアリング
フロントに比べてベアリングもオイルシールも綺麗なので交換を止めようと思ったが、フロントと同時に交換しておくべきと思い直す。
- R側ベアリング外し
オールアンカーで意外と容易に抜ける
スペーサーとフランジが抜けるはずだったが中々抜けないのでそのままして置く。ハブ内部は新品と間違える程綺麗。
- L側ベアリング外し
L側は苦労した。最後はドライヤーで加温して何とか抜ける。同時にスペーサーとフランジも出てくる。
L側もハブ内部は感激ものの綺麗さ
- L側ベアリング圧入
冷やしたベアリングを27mmソケットを使って所定位置まで打込む
グリースをタップリ塗ってオイル−シールを打込む。打込む際同じく27mmソケットを利用。
- R側ベアリング圧入
ハンマー叩き3回で圧入。確かに冷やすと入りやすい。因みにベアリングの芯出しのため六角ボルトを反対側から挿入している。
リヤも終了。最初なので何とかやれたが、二度目はないだろうな。
取出しパーツと使用工具類
新たに購入した部品は高々五百円程の代物
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- オールアンカー10mmと12mmを2個づゝ
- グリップアンカー12mmを1個(結果的に使い物にならず)
- M12とM3/8 六角ボルト:1個ずつ
- 塩ビ管(Hi TSソケット、外径37mm)
- その他:27mmソケット、ハンマー、バイスプライヤー、ドライバー、ドライヤー木片
試乗
走り出した瞬間リヤタイヤのフアフア感が顕著。更にリヤが少し左右に振れる。ベアリングの圧入に失敗したかと一瞬青くなる。確か取付後の確認ではホイールがスムースに回転したし、またパンクもなかった筈だが。タイヤを指で押してみると固くない。どうもパンクのようだ。加圧して経過圧を観測すると少しずつ空気が抜けている。パンクだ。タイヤレバーの扱いは慎重に行った積もりだがチューブに傷を付けてしまったようだ。漏れ箇所は空気入れの差込み口に近い。原因を振り返ってみると、片面のタイヤビートをホイールに入れるときに難儀した記憶がある。
面倒だが予備のチューブで気合を入れてタイヤ交換のやり直し。今回は片面のビートをホイールに入れてからチューブを入れることにする。その場合空気入れ差込口をホイールの穴に入れるのが難儀だが芯を出しながら何とか入れてナットで軽く固定しておく。次に差込口周辺のビードをホイールに入れていくのだが、タイヤレバーがチューブに当たらないように指で確認しながら行う。空気入れ差込口周辺のビードを入れるのが最も大変だ。そこが一旦入ってしまえば脚で押さえながら徐々に広げていく。最後は力を込めて気合一発で入る。ホイールはちょっとやそっとの力では歪まない。
日課の図書館迄走る。タイヤはOkだが速度計が動いてない。帰宅後ギアアッセンブルを外すとスピードギアの爪が割れていた。慎重に組込んだ積りだったが。
モニタロウには在庫なくWebikeで注文。パーツ番号3pp-25135-00。グリスをタップリ添付して爪が噛み合うように慎重に組み込む。今度は大丈夫だ。
更に
峠走行で偶にクランク・クラッチにも何か違和感を感じることがある。何れクランク・クラッチのチェックが必要だろうが様子を見ながら走ろう。なお、CDIを自作アナログに変えて燃焼状況を今後Watchすることにする。
つづく