Studio Life〜The Old Lunisolar Calendar

Studio Life〜The Old Lunisolar Calendar

立春を過ぎ春間近と思いきや、2月下旬に季節外れの雪の襲来を受けました。今年は昨冬に比べて足の凍傷にもならず温かい冬と思っていましたが、昨年末の大雪から始まり、大寒の第二波、今回春間近の第三波目と今冬は平年に比べて不順のようです。Just ahead of spring coming around corner, an unseasonable snow hits here late February. This winter is thought to be warmer than last winter due to having not suffering from frostbite on my foot. Beginning with a heavy snow fall at the end of last year, followed by the second wave on “Daikan”, and hit by this third wave near spring, this winter seems to be unseasonable.

新しい年の始まりは、生き物が目覚め躍動する春ではなく何故冬なのか、年賀状を書く度に新春という言葉に違和感を覚えたことはないだろうか。それもそのはず、今の暦の原型が生まれたとき、新しい年の始まりは春だった。それが紆余曲折の改暦を経て1月1日を始めとする現行の新暦となった経緯がある。財政が逼迫した明治政府が公務員のお給料払うための苦肉の国策として明治時代に導入されたという説もある。それ以前の暦は、その原型が飛鳥時代中国から輸入され、改暦を重ねて天保暦を最後に、1300年以上運用されてきた旧暦である。

俺は年金生活者になって社会生活との関わりから遁世して以来、生活の規範として旧暦に則り、夏はクーラーなし、冬は暖房なしと、自然に素直に?生きている。月は日向の太陽に比べて日陰の存在であるが、月の満ち欠けも地球上の動植物のバイオリズムに多大な影響を及ぼしていると信じているからだ。

春の七草、節分、立春、お彼岸、雛祭り、端午の節句、七夕、土用の丑、立夏、立秋、中秋の名月、秋分、立冬、七五三、御用仕舞い、大寒等、祝日・祭り・儀式・季語は現在も脈々と引き継がれ馴染みがありますね。特に、古典の理解には不可欠な存在の旧暦。衣替えは旧暦では4月1日と9月1日ですが、現在の6月1日と10月1日は時期的にズレているのではないでしょうかね。秋には夜半トイレ起床の際夜空の月を愛でつつ快尿する事も屢々。

今使っている暦は「グレゴリオ暦」と呼ばれる「太陽暦」である。原型は古代ローマ迄遡るが紆余曲折の末、1582年地球が太陽を周回する日数をより正確に反映する為、ローマ教皇グレゴリウス13世によって1月1日を新年の始まりとして改暦・定着させた。「グレゴリオ暦」は1太陽年の365.2422日に近づける為、閏年を400年に97回、1年の平均日数を365.2425日に改めている。通常、4年に1回閏年を置いているが適宜補正が必要となる。

一方、旧暦の「大陰太陽暦」は、月の周期に基づた暦では定期的に本来の季節とずれてしまう為、太陽と月の双方の運行日数を統合した暦である。地球が太陽を一周する日数は約365日、一方、月の運行日数は約29.5日(12ヶ月で約354日)である。詰まり、1年で11日の差が発生する。3年間で33日、1ヶ月を超えるズレが生じてしまう。このズレを解消する為、閏月を導入している。閏年は平均2年7ヶ月に1回(19年に7回)発生し、閏年では1年が13ヶ月となる。

月の満ち欠けは国立天文台の暦Wikiも分かりやすい。これらイラストを参考にすると、旧暦各月の1(朔)日は闇夜、15日か16日が満月、その中間の8日と23日は半月である。日食は1(朔)日、月食は15か16日にしか起こらない事もお分かりになろう。

満月(大潮)の時出産する確率が高い言い伝えは個人的には孫の出産の場合当てはまりませんでした。

閏月の発生月は一定しない。例えば、閏月が3月に発生した年は夏の訪れが遅れ作物の育成は例年より遅い、閏月が5月に来れば長雨となって夏が長い、また秋に閏のある年は冬の訪れが遅く不順となる、等古くからの経験則が有効となる。来年2023年は2月に閏月、その後3年後の2025年は6月に閏月が来る予定。果たしてどんな春、夏となるか興味の持たれる処ではある。

現代世界は「グレゴリオ暦」で動いているが、今でも中国の正月”春節”は中華社会に生き続けているし、イスラム教徒は月の満ち欠けに基づく「太陰暦」を規範としている。日本人には付き合いきれないラマダン期間は第九の月の新月から次の新月迄と決められている。このため毎年11日程ズレていく。ユダヤ教徒は一年の始まりが9月か10月の「太陰太陽暦」を使っている。

旧暦カレンダーと月の満ち欠けアプリをスマホに入れて日頃から重用している。

やっと、春到来!

参考

  • 暦の歴史
    ナショナルジオグラフィック記事の翻訳版。改暦の歴史は興味が尽きないね!

  • この漢字は「もとへ戻る」という意味を表す「屰」に「月」を組み合わせて「月がもとに戻ること」に由来する。月が見えない位置から徐々に膨らみ、また見えなくなっていく月の一周期に於いて、月が見えない数え始めの第1日目が「朔」である。

以上

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