Analog Audio Revival~Lo-D HMA9500MKII①

Analog Audio Revival~Lo-D HMA9500MKII①

長岡鉄男が愛用していた有名なパワーアンプ。石は日立のMOS-FET。なぜか二台も買ってしまった。

型番は126B番と68L番でどちらも同じロットのようだ。126B番はヤフオクで調達。R側の電源トランスが断線しておりL側トランスでR側も供給するようになっていた改造品。改造は専門家でやってもらったようで丁寧な仕事。出品者も感じのよい方であった。一方の68L番はショップで購入したノーマル仕様。両方とも電解コンデンサーはオリジナルであったが、126Bの方が柔らかい音。個体差があるというスレを読んだことあるが。

126B番は初めのうちはそのまま使っていたが、片肺運転じゃ本領を発揮されていないだろうとトランスの換装を計画。トランスの仕様について日立に問い合わせたところ社内で色々調べてくれたが結局わからずじまいで代わりにサービスマニュアルを送ってくれた。親切な会社である。今後家電製品は日立製にしようと決意も新たに実際にエアコンを購入したこともあったな。

それじゃ、生きている方のトランス現物の仕様を調べるしかないということでプロに検査を依頼して漸く仕様が判明。早速オーダー受け付けるフェニックス社にRコアトランスを注文。因みに、このトランスよく壊れるようで同じ症状に悩む人も多いと聞く。

以下、トランス載せ換えの顛末。

① 作業前処置

  • トランスケースをキズから守るために発泡スチロールで保護。
  • 反省点:ケースをセロハンテープ若しくはビニールで隙間無く覆っておくべき。これを怠ると、充填材の粉や発泡スチロールでケース表面が擦れ塗装がはげる恐れあり。

② 作業開始。まず上部充填材の除去

  • セメント用ドリルで穴をあけ、タガネで叩き割っていく。コイル周りの充填材も出来るだけ取り除いておく。

③ 小さい方の板ハガネを除去

  • 大きい方の板ハガネは中央部と一体になっているので、まず小さい方からタガネとマイナスドライバーで取り除いていく。なお、板ハガネはコイルを囲っている鉛板と四隅で溶接してあるので、これを切断するとハガネを外しやすい。
  • 反省点:まずトランスの上部コイルを断線したのは失敗。そのままの状態の方がハガネを取るには有利であった。

T1

④ コイルと大きい方の板ハガネも除去

  • ようやく底が見えてきた。もう一息。上記③と④の工程が最も時間がかかり面倒だ。

T2

⑤ 完全除去

  • 達成感よりもやっと面倒な作業が終わって清々したという気持ちで一杯。ハガネの叩きすぎで、手・肩・首が痛い。
  • 反省点:最後の充填材を除去する際、用心して平タガネを叩くこと。私の場合、タガネを叩きすぎてケースの底を少し変形させてしまった。修理後の写真でケースの一部が盛り上がっているのが分かるとと思います。

T3

⑥ 塗装

  • ケースの塗装のはげた箇所を補修。

⑦ ケースにトランスを挿入

  • コイルの台座がもう少し(0.5~1cm)短いと、ケースに入れやすい

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T6

⑧ケースを本体にビス止め

T7

T8

  • 現状トランスはケースに固定されておりません。
  • オリジナル同様、充填材に似た粘土で固めることも考えましたが、またトランスが切れた場合を考慮し、取り敢えず、発泡スチロールを入れてトランスをなるべく動かないようにしている状況です。音質にどのような影響があるかは全く分かりません。良いアイデアがありませんでしょうか?

完成写真

なかなか綺麗と思ってます。

T9

T10

今回使用した道具は、平タガネ(小さい方がベター)、電気ドリル、マイナスドライバー(板ハガネを一枚ずつ剥き取るために使用、平タガネでも代用可)、ハンマーと、原始的なものばかりです。歯科医が使うカッターがあれば、もっと効率的になったと思います。

つづく

 

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