Analog Audio Revival~Lo-D HMA9500MKII②

Analog Audio Revival~Lo-D HMA9500MKII②

定番のレストアアイテムであるショットキーバリアダイオード、電解コンデンサー、半固定抵抗、ヒューズ抵抗を交換。これだけで飽き足らず寿命が来ているトランジスタ、フィルムコンデンサーも交換しました。初めてのレストア機種となる記念すべき第一歩でした♪

SBDに交換

ブリッジダイオードを日本インター製30PHA20に交換する。新しい型番では同じ日本インター製30DF2が使われているそうであるが、30PHA20は30DF2に比べ原理的に逆回復時間がなく整流ノイズが発生しない優位性がある。SBDの仕様一覧表です。

SBD

基盤はすでに対応できるように穴が作ってあったので交換は容易であった。

 交換前

SBD1

交換後

SBD2

取り外したパーツ

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いざ火入れ式でスイッチをいれた瞬間、ヒューズから火花が飛ぶ。あわてて電源スイッチを切るが時すでに遅し。プロテクトがかかっている。貴重なMOS-FETが逝っていないか頭をよぎるか素人の俺は途方に暮れるだけで何もできない。

プロに頼むしかないとネットで三浦半島を拠点とするビンテージオーディオの修理を手掛ける御仁を見つけて修理を依頼する。ダイオード10DF2の破損が原因であった。上位ダイオードのスイッチングが早くなっていたので劣化していた10DF2に一気に電流が流れたため壊れたであろうとの事。修理代は高かったが、良い勉強代と割切る。10DF2は同じくSBDの20KHA20に交換する。

交換後は音場、音域とも激変するとのことだったが、俺には顕著な変化は感じられなかった?

電解コンデンサーの交換

とっくの昔に耐久時間(2,000時間?)を超えているので全部交換することにする。オリジナルのコンデンサーは既に廃番となってるのでオーディオ用の高級品に換装するが、サイズは格段に小ぶりになる。サイズ的に同じ汎用品の方がオリジナルのサウンドを再現できると主張する人もいる。そこで、ニチコン製MUSE KZとエルナー製セラファインを使って音の違いを確認することにした。電源基盤の470uF@100vの電解コンデンサーは、KZとセラファインにはないので、代わりにFine Gold、若しくはトーンレックスを用いた。

新品のMUSE KZ

電界新

電源基盤

交換前

基盤4

交換後

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電源基盤のフィルターコンデンサー(470μF/100V)の基盤の穴のサイズが合わないので、本意ではないが基盤に穴をあける。

手元にあったシルミックも一部に使っています。てんでんバラバラで何の事やら。

基盤1

R側オーディオ基盤

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取り外したオリジナルパーツ

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取り外した後計測したが、そんなに劣化していなかった。

リレー

接点を磨いて再使用する人もいるが、OMRON MY4-02 DC48に交換する。オリジナルは珍しい高見澤MAT4B-208R 48VDC。

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トランジスタ交換

スピーカーからプチプチ音がするので、初段FETの劣化と判断して交換。初段2K131Mは手に入らないので、何とか手に入れた2SK130を特性の揃った2個で作る事にする。

取り出した2SK131M

sk131

 解体して2SK130を取り出す。

sk131解体

 新品の2SK130 を合体させて銅箔で被覆して完成。箱は元箱を流用する。

sk131制作

終段のMOSFETは型番HS8401CとHS8402CのグレードDである。汎用品は2SK135と2SJ50となる。ピンを磨いて電化シートに取り換えておく。

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取り外したトランジスタ群

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フィルムコンデンサー群

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ヒューズ抵抗は秋葉原の有名店海神無線から調達。ヒューズ抵抗特有の音に賛否両論あるが、俺には違いは分からない。半固定抵抗は高級品のコパルλ-13Tを使用。Λコンデンサーの未使用品は何とか見つけたが高すぎで結局手が出ず、交換を断念。

交換後の全体図

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バイアス調整

(1)アイドル電流調整(L側R側双方)

要は終段にどれだけ流すかを決める調整である。

オーディオ基盤テストポイントTP1に直流電圧計の⊖側を100Ωの抵抗を介して接続,⊕側はTP2に接続する。R772/R773を反時計方向に回し切った状態で、電源スイッチON後8分以上経過してから電圧が0.4V(0.25-0.45)になるようにR772を調整する。次に、直流電圧計の⊕側をTP3に接続して電圧が0.35V(0.25-0.45)になるようにR773を調整する。このとき、R376/R737/R73/R739の端子間電圧が22-66mV(100-300mA)の範囲に内にあることを確認する。

(2)中点電圧調整(L側R側双方)

DCアンプなので直流電圧が出るとスピーカーが逝ってしまうので直流電圧が出ないように調整するものである。調整方法はオーディオ基盤の中点電圧調整ポイントに直流電圧計を接続する。⊕側はR745下流、⊖側はスピーカー端子GSにつなぐ。その間の電圧が±5mV以内になるようにR771を調整する。

バイアス

アイドル電流調整

TEST8

アイドル電流調整

TEST7

中点電圧調整

TEST6

(3)保護回路の動作確認

保護回路が正常に動作するかどうか確認しておく。10KΩの抵抗に1.5 Vの乾電池2個をつけて、⊕側をVQ端子に⊖側をGP端子に繋ぐ。リレーが作動すれば動作OK。同様に±を逆にしても動作すればOK。

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プロテクションOFF

TEST1

プロテクションON

TEST2

大丈夫でした。

スピーカーターミナル

オリジナルは現代の太いケーブルが入りにくい為改造した。オリジナルでなくなったのはちょっと残念だが。

電源ケーブルとプラグ

ケーブルはCS-V3.5に交換。ストレートでガッツがある音質でバランスが一番取れているとの謳い文句に惹かれてオヤイデ電気から購入。ケーブルが固いので引き回しが大変。プラグはオヤイデで売られている高級品は買えないのでパナソニックのWF5018で妥協。音の違いのほどは良く分からなかった。

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次回は最終回モジュールの製作です。つづく。

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