Studio Life~2024 New Year’s Eve
鎌倉は晴天日和が続き寒さ知らず。住むには最高のロケーションにある。一方、北陸加賀は毎日曇天、時よりみぞれ混じりの激しい雨が降る厳しい天候が続く。気が滅入る毎日。年末年始は本宅へ逃亡です。Kamakura is a great place to live, with sunny days and no cold weather. In Hokuriku Kaga, on the other hand, the weather is cloudy every day, with heavy rain mixed with sleet from time to time. It is depressing every day. I shall return to the main residence for the end of the year and New Year holidays.
Highlight
早朝散歩、朝食、家事、車・バイク整備など諸々の作業を終えてから図書館へ通う。館内では午前中雑読、昼食後学習室でプログラミングに専念する。以上が直近のルーチン日課。
今年も山とプログラミングに専念した一年だったが、自動微分を組込むプログラミングの進捗が頓挫している。数値微分、解析微分を含めたコードの全面的な見直しを図っている最中。
早朝散歩も懲りずに実施している。既に二年になろうか?
最近は以前より早まり夜7時には床に着く。深夜尿意を催して起きてから一刻思索に耽る。2度寝して4時頃起床。4時半から作業を再開するルーティンである。救いは睡眠がよく取れていること。少なくとも6時間の睡眠は確保している。
これまで毎日午後九谷広場でプログラミングに専念していたが、常連の独り者のオバサンから目障りなので来るなと言われる。他人の目を気にせず好きなことやって穏やかで平凡な暮らしを送ることを信条としているので行くのをやめる。これが結果的に利することになる。
早朝散歩を始めた発端は、一昨年の白馬岳雪渓での失態を経験した反省から、脚・膝の増強を目指したものであった。其の甲斐もなく鹿島槍ヶ岳の山行がキツかったことを受けて、さらなる増強が必要なことを痛感していた。足腰を鍛える上でサイクリングが効果的なことを知り、毎日片道20分図書館通いの決意に至る。北陸は道路状態が悪く数ヶ月に一回パンクに悩まされてきたこともあって心機一転新たにマウンテンバイクを購入する。
今年のハイライトとしては、
- 孫の七五三
- 車検の当たり年。車検整備は問題なく終えるが、3台のユーザー車検をこなすが精神的にキツイ。本番ではアシスタントの力を借りて何とかクリア。
- 二年振りに京都・琵琶湖小旅行に出かける。
七五三
孫の七五三詣のため鎌倉の自宅へ一旦戻る。来年は小学校入学を控えている。早いものだ。デミオの車検と七五三詣を兼ねたので時期外れとなった為、江島神社へ境内には七五三の子供は見かけない。江ノ島の入り口にある吉祥楼で祝の膳をいただく。一般料理とSteam Fishを食したが料理は絶品である。しかもお手頃な価格。
晩年をむかえていよいよ花咲く
健康長寿の心得を著した「養生訓」は今も世代を超えて読み継がれている。著者の儒学者貝原益軒(損軒と名乗っていたこともあった)は「腹八分」、「睡眠をしっかりとる」、「無理をしない」など、自ら実証して、平均寿命が40歳を切っていた時代に生まれつき病弱だった益軒は85歳迄最期まで呆けず寝たきりにもならずに「長寿を全うした」人物、19歳に福岡黒田藩に仕えるものの藩主の癇気にあい一時浪人となるが再度黒田藩に召し抱えられ約半世紀にわたり仕えた「たくましさとしなやかさ」も併せもつ、還暦を過ぎてからは精力的に書物を著して「晩年に輝き老いを生き尽くした達人」である。
蒲柳の益軒の老いを生きる知恵については、山崎光夫著「老いてますます楽し‐貝原益軒の極意」{新潮選書)という本が参考になる。要諦を纏める。
- 「天道に従って」誠・正直に生きる。儒学者としての処世術、生き方の範を示す。
- 人生は久しく「楽しむために」ある。病苦なく人生を穏やかに長く生きることが大事。
「ふたたび生まれ来るべきたのみなき此世の間なるに、天地人のいたれる道をまなんで楽しまんこそ、いけるかひありて、身終る時もうらみなかるべけれ」大和俗訓 - 著書は本草学、医学、地理、農学、文学、政治、歴史と広汎に亘り多彩。いわゆる益軒十訓が著名。「養生訓」では身体の健康法のみならず心の健康も説く。「楽訓」は生涯を通じて生きる楽しみを追求した書物である。
楽訓巻之上
「およそ人の心に、天地よりうけ得たる太和の元気あり。是人のいける理なり。草木の発生してやまざるが如く、つねにわが心の内にて、機のいきてやはらぎ、よろこべるいきほひのやまざるものあり。是を名づけて楽と云。即是仁の理なり。」
養生訓巻之上の冒頭
[101]「人の身は父母を本とし天地を初とす。天地父母のめぐみをうけて生まれ、又養はれたるわが身なれば、わが私の物にあらず。天地のみたまもの(御賜物)、父母の残せる身なれば、つつしんでよく養ひて、そこなひやぶらず、天年を長くたもつべし。是天地父母につかへ奉る孝の本也。身を失ひては、仕ふべきやうなし。略 然れば道にしたがひ身をたもちて、長命なるほど大なる福なし。故に寿(いのちなが)きは、尚書(=書経)に、五福の第一とす。是万福の根本なり。」
[102]「万の事つとめてやまざれば、必(ず)しるし(験)あり。たとへば、春たねをまきて夏よく養へば、必(ず)秋ありて、なりはひ多きが如し。もし養生の術をつとめまなんで、久しく行はば、身つよく病なくして、天年をたもち、長生を得て、久しく楽まん事、必然のしるしあるべし。此理うたがふべからず。」
[122]「およそ人の楽しむべき事三あり。一には身に道を行ひ、ひが事なくして善を楽しむにあり。二には身に病なくして、快く楽むにあり。三には命ながくして、久しくたのしむにあり。富貴にしても此三の楽なければ、まことの楽なし。故に富貴は此三楽の内にあらず。もし心に善を楽まず、又養生の道をしらずして、身に病多く、其はては短命なる人は、此三楽を得ず。人となりて此三楽を得る計なくんばあるべからず。此三楽なくんば、いかなる大富貴をきはむとも、益なかるべし。」
[209]「心は楽しむべし、苦しむべからず。身は労すべし、やすめ過すべからず。凡わが身を愛し過すべからず。美味をくひ過し、芳うん(209)をのみ過し、色をこのみ、身を安逸にして、おこたり臥す事を好む。皆是、わが身を愛し過す故に、かへつてわが身の害となる。又、無病の人、補薬を妄に多くのんで病となるも、身を愛し過すなり。子を愛し過して、子のわざはひとなるが如し。」
[221]「ひとり家に居て、閑(しずか)に日を送り、古書をよみ、古人の詩歌を吟じ、香をたき、古法帖を玩び、山水をのぞみ、月花をめで、草木を愛し、四時の好景を玩び、酒を微酔にのみ、園菜を煮るも、皆是心を楽ましめ、気を養ふ助なり。貧賎の人も此楽つねに得やすし。もしよく此楽をしれらば、富貴にして楽をしらざる人にまさるべし。」
[804]「老後は、わかき時より月日の早き事、十ばいなれば、一日を十日とし、十日を百日とし、一月を一年とし、喜楽して、あだに、日をくらすべからず。つねに時日をおしむべし。心しづかに、従容(しょうよう)として余日を楽み、いかりなく、慾すくなくして、残躯をやしなふべし。老後一日も楽しまずして、空しく過ごすはおしむべし。老後の一日、千金にあたるべし。人の子たる者、是を心にかけて思はざるべんけや。」
[815]「老ての後は、一日を以て十日として日々に楽しむべし。常に日をおしみて、一日もあだにくらすべからず。世のなかの人のありさま、わが心にかなはずとも、凡人なれば、さこそあらめ、と思ひて、わが子弟をはじめ、人の過悪を、なだめ、ゆるして、とがむべからず。いかり、うらむべからず。又、わが身不幸にして福うすく、人われに対して横逆なるも、うき世のならひ、かくこそあらめ、と思いひ、天命をやすんじて、うれふべからず。つねに楽しみて日を送るべし。人をうらみ、いかり、身をうれひなげきて、心をくるしめ、楽しまずして、むなしく過ぬるは、愚かなりと云べし。たとひ家まどしく、幸(さいわい)なくしても、うへて死ぬとも、死ぬる時までは、楽しみて過すべし。貧しきとて、人にむさぼりもとめ、不義にして命をおしむべからず。」
酒の飲み方について俺のようなアル中は「身をほろぼす也」と戒めている。
[444]「酒は天の美禄なり。少のめば陽気を助け、血気をやはらげ、食気をめぐらし、愁(うれい)を去り、興を発して、甚人に益あり。多くのめば、又よく人を害する事、酒に過たる物なし。水火の人をたすけて、又よく人に災あるが如し。邵尭夫(しょうぎょうふ)の詩に、「美酒を飲て微酔せしめて後」、といへるは、酒を飲の妙を得たりと、時珍(じちん)いへり。少のみ、少酔へるは、酒の禍なく、酒中の趣を得て楽多し。人の病、酒によって得るもの多し。酒を多くのんで、飯をすくなく食ふ人は、命短し。かくのごとく多くのめば、天の美禄を以、却て身をほろぼす也。かなしむべし。」
[446]「凡(そ)酒はただ朝夕の飯後にのむべし。昼と夜と空腹に飲べからず。皆害あり。朝間空腹にのむは、殊更脾胃をやぶる。」
庭の手入れは愚妻の生きがいであるが、俺は生け垣の手入れを受け持っている。十年以上前から老木のツゲを本マサキへの植替え中で何とか今回の作業で植替えを終える(総計40本)。ツゲは根っこから抜くので骨の折れる作業だが、時間を掛ければ必ず抜ける。焦らず気を落ち着かせて淡々と作業を進めるが、何せ短気な性格なので苛立つことシキリ。
来年に向けて
老いている実感がある。特に、集中力が以前ほど続かなくなったこと、頭のキレが失くなってきたこと。これは致し方ないこと。割り切るしかない。只、先人達の心構えを肝に命じつつ生きている。
- 「年を重ねただけで人は老いない。理想を失うとき初めて老いる」米詩人サムエル・ウルマン
- 「人間は夢を持ち、前へ歩き続ける限り、余生はいらない」伊能忠敬
- 「心の荘なる人には何時も青年の春なり」幸田露伴
- 「学びは究極の遊びです」市毛良枝
来年の目標も今年と同様になろうが、プログラミングについては一定のケリをつけたいと思うが、、、。
山行のメインターゲットは中央アルプスの女王仙丈ヶ岳にチャレンジする予定。木曽駒ヶ岳にも足を伸ばしたいが、天候と体力次第でその時に決めよう。
良いお年をお向かえ下さい。
以上
秋の京都・琵琶湖小旅行
秋の京都・琵琶湖へ出かける。12年振りに公開される六波羅蜜寺の秘仏、湖東三山寺院、及び近江神宮の拝観が目的である。走行コースは近い半時計ルートを取る。
文化の日に出発。国道8号線を一気に南下。琵琶湖の西側を走り、風車村、白鬚神社、和邇浜、近江神宮を経て、京都に入り法然院、六波羅蜜寺を拝観して寝床のライダーハウスボーダーにつく。好天に恵まれるバイク走行は実に気持ち良い。バイク野郎が手を振りながら行き交う。
風格のある近江神宮は七五三で和服姿の子どもが多く目につく。古来の風習が残っていることに感慨を覚える。法然院では真っ先に谷崎潤一郎の墓に詣でる。以前日本一周の折に訪れた時は台風の被害にあったばかりで墓地の杉の巨木は軒並み倒れて墓地は雑然としていたが今は整然と落ち着きを取り戻している。枝垂れ桜の近く、墓石に彫られた「寂」と「空」で特異な墓である。近くに哲学者九鬼周造の墓もある。境内本堂の向かい石段の上にある地蔵菩薩像が印象的である。(通常非公開の伽藍は11月下旬から公開)。
六波羅蜜寺は市街地にあることもあって風情は皆無のお寺。12年振りの秘仏木造十一面観音立像公開日の初日だった事もあり長蛇の列。着いたときは秘仏公開は既に閉門(16時に閉門)していたので本堂のみ参拝。境内の真新しい観音像に興ざめ、当初の意気込みは完全に失っていたので悔いはない。ご縁がなかったということか。
ボーダーのオーナーは今年の3月に亡くなられ、息子さんが継いでおられる。牢名主はもう居おらず宿泊部屋はきれいでスッキリとした。一泊2千円に値上がりしているが、京都市内での野宿は難しく貴重な存在である。連休で混雑しているかと思いきや滞在者は俺一人、初めてゆっくりと過ごす。
夜が明けてすぐ、祇園の一念坂、二年坂へ行く。誰もいないと思いきや、女性、外人で混んでいる。どうしてこんな所が人気があるのか不思議。只、最高の立地にある外資のPark Hyattは前々から知っていたが、何故日系が押さえなかったのかと訪れる度に残念に思う。
一番人気の本家旭第一本店で京都ラーメンを食う。噂に聞いていたが30分待ち。どうして一番人気なのか理解に苦しむ。良くできたラーメンであるが、背脂利いた醤油味は俺的には塩気が強く感じて食べていくうちに飽きて来る。値段は940円と高めであるが焼豚が多くチャーシュメンに近いので納得。俺的には天下一品北白河本店の方が好みである。
湖東三山へ向かう。湖東三山の一つ国宝の数が最も多い西明寺を訪れる。国宝の本堂、小ぶりの三重塔は鎌倉時代設立で落ち着き風格があるが、二天門の二天王立像(持国、増長像)が素晴らしい。特に境内の苔は実に手入れが行き届いていて美しい。京都に引けを取らない。拝観料は800円、少々高いが納得感が高い。ただ、本堂内で若い坊主が講釈をたれていて正直ウザい。
多賀大社も小ぶりながら洗練されている。水ヶ浜は風光明媚な琵琶湖湖畔。天気の良い日は一段と冴える。
これまで旅行中は何かしらのトラブルに見舞われてきたので何かあるかなと思っていた。案の定、湖周道路の木之本から敦賀へ抜ける塩津街道のトンネル内で突然エンジンがストップ。30m程バイクを押してトンネルから抜け出調べると原因は単純。プラグコードが抜けている。寄りによってトンネル内でこんなこと起こるかな。幹線道路のトンネルだったら大変なことになっていただろう。
その先の道の駅あじがまの里で野宿する予定だったが、またトラブルに巻き込まれのが御免なので急遽帰ることにする。
満天の星空を愛でる秋の白山
一昨年は白山山行では室堂で野営できないということを知り急遽下山せざるを得ない憂き目になった事を受けて、今回は頂上で夜明けを迎えることに挑戦する。
勝手知った砂防新道コースは最早何ら面白みはないが、これ迄登ったことのない大汝峰で日の出を迎えることとする。紅葉の見頃はすでに終わっているが、今年最後の連休前登山客で大いに賑わっている。時間は気にせずに気楽に登る。
室堂から2時間程かかって目的の大汝峰につく。
人っ子居ない山頂で定番のカツ丼を食って、寝袋に入りながら日の入りを待つ。
一気に気温が下がる。寝込むが夜半体が冷えきり何度も尿意を催し目が覚める。
空気が澄み切っている。上を見上げれば夜空は満点の星。目的を叶えた喜びでいっとき寒さを忘れる。
6時前に静かに一人日の出を迎える。
眼前に北、南、中央アルプスを一望にできる爽快感。これが俺的山行の意義である。
御前峰は人だかり、霜が降りている。
大汝峰から望む山々
最後まで足取りは軽い。鍛錬の成果はありと信じる。
〆